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2019-04-09  POSCOへ営業秘密を漏洩した元従業員を新日鉄が訴え続けた理由

新日鉄は2012年4 月に方向性電磁鋼板の営業秘密の不正取得、不正使用等を理由に韓国のPOSCOを訴えたものの、2015年9月にはPOSCOと和解して訴訟を取り下げました。和解金は300 億円とのことです。

  

しかし、新日鉄はその営業秘密をPOSCO へ洩らした元従業員に対する訴訟は取り下げませんでした。

そして、約10人の元従業員に対して責任を追及し続けた結果、2016 年末には全員が責任を認めて会社に謝罪し、和解金を支払うに至りました。

 

ここで約10 人の元従業員のうち、最も高い和解金を払った人は1億円超ということですが、この金額は新日鉄にとって十分に高い金額ではありません。

払う側の個人からすると大金ですが、新日鉄という大企業にとって数億円は大きい額ではありません。

当然、方向性電磁鋼板の営業秘密が漏洩したことによる損失を埋めることができ
る金額でもありません。

したがって、元従業員への責任追及をやめなかった理由は、和解金を引き出すためではないと考えられます。

おそらくですが、新日鉄の営業秘密を漏洩させた場合、新日鉄は徹底的に責任を追及するし、1億円以上を払わせることもあるぞ、という姿勢を従業員に見せることで、今後、同様の事件が発生しないようにするためだと思います。

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(以上は拙著「技術者・研究者のための特許の知識と実務(第3版)」のP202からの抜粋です。ぜひ、本書をご参照ください。↓)

    


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