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2016年9月20日
IDS(米国情報開示陳述書)について

本日、IDS(米国情報開示陳述書)に関する弁理士会の研修を受けてきました。
とてもためになる内容でしたので、以下に要点を箇条書きします。

・IDSの目的は、審査官に「IDS項目検討済み」という意味の署名を得ることにある。

・出願人が提出したIDS(の表)に取り消し線が引かれていた場合、審査官は未検討であることを意味する。

・明細書の「先行技術」の欄に公開番号等を記載していても、その文献についてIDS提出を行うべき。

・NON-PATENT LITERATURE DOCUMENTSの欄には、非特許文献だけでなく、出願人・発明者による販売、公用等であって特許性に関連性があるものを記載する。

・進歩性タイプ(他文献や周知技術を組み合わせられた場合も含む)二重特許の存在をIDSで審査官に知らせる必要があり、この場合も、その旨をNON-PATENT LITERATURE DOCUMENTSの欄に記載する。進歩性タイプの二重特許は、同分野で多くの特許出願をしている大企業に発生しやすいので要注意。

・登録済特許であって、IDS提出を行っていなかったものについて、権利行使を検討している場合、Supplemental Examinationが有効な手段。

・国際調査報告書や見解書をIDS提出すべきか否かについては意見が分かれるところであるが、国際調査報告書や見解書をIDS提出し無ければならないとする理由(判例等)は無い。

・国際調査報告書のX文献、Y文献はIDS提出すべきだが、A文献は提出する必要はないだろう。

・文献の英訳をもっている場合、その英訳に質が極めて悪いような場合であっても、それを提出する義務がある。

・英語文献ではない場合、抜粋部分の英訳を提出することも考えられるが、抜粋には出願人の選択や判断が働くため、権利行使の際に訴訟相手から不正行為主張のネタを提供することになり得る。そうであるならば、できるだけ不正行為の疑いにならないよう、極力出願人自らは何も言及しない、何も選択も判断もしない状態を作るために、全文(関連性がある箇所を選ばないため)を対象として機械翻訳を行い、これを提出することがお勧めの方法である。機械翻訳はGoogle等で無料で利用できる。これは英語でも日本語でもない文献の場合も利用できる方法である。

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