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2017-10-03  発明発掘について~ 発明は提案されなくて当然と考えるべきだ ~

こちらのページで「発明発掘会議を始めよう」と題する動画(セミナー)を視聴できます。無料です。

発明者から発明提案がほとんどなされないため発明が顕在化せず、発明者の頭の中に埋没したままとなっている企業はかなり多いです。

ノウハウ秘匿に関する相談をしばしば受けますが、いろいろと実情を聞いていると、発明の顕在化がなされずに困っており、ノウハウ秘匿よりもそちらの方が重要であるため、ノウハウ秘匿はひとまず置いておいて、発明の顕在化の方に取り組むことが、頻繁にあります。

発明者から発明提案がなされない場合、発明が発明者個人の頭の中にのみ存在していることになるので、その者が退職してしまえば、その発明は社内から消えることになります。

また、退職していない段階でも、他の従業員はその発明の内容を知ることができないため、当然、その発明を利用することができません。

そのため、社内で過去に検討された事項について、別人が再度、検討するために多大な労力とコストをかけるような極めて非効率な状態に陥る可能性があります。

一方、発明者から発明提案がなされ、それがデータベースとして整理され、発明者等がそれを利用できる状態にすることができれば、その発明者が退職しても、その発明は社内から消えることはありません。

また、他の従業員はその発明を利用することができるので、同じ発明を創出するための労力は無くなり、その発明内容を知ったうえで、さらに改良することに時間や労力を費やすことできます。

ここで、発明提案というレベルではなく、それよりも低いレベル、例えば、現場のちょっとした改善のアイデアや操業解析データ等であっても、きちんと文書化され、データベースに整理されている企業もあります。

このような企業の業務は効率化されているし、開発スピードも速いです。

改善のアイデアや操業解析データ等も含め、きっちり文書化(顕在化)させてデータベースにして管理し、そのうえで、それらの中で重要なもの、レベル高いものを特許出願したり、ノウハウとして秘密管理する、というようなにするが理想型でしょう。

発明者から発明提案がなされる企業と、なされない企業とを比較した場合、前者の方が、開発スピードが格段に早くなることは明らかであり、開発力において後者の企業が前者の企業に勝てるはずがありません。

発明提案がなされないと困っている知財部の方が認識すべきことは、「発明者にとって重要なことは開発や設計などを進めることであり、発明提案は全く重要でないどころか、むしろ、できる限り避けるべきものと考えている」ということです。

発明者にとってみれば、発明提案をしろ、と上司に言われたとしても、下手に引き受けてしまうと自分の仕事量を増やすことになるため、できれば避けます。

したがって、発明提案は為されないのが通常と考えるべきです。

また、発明提案が為されたとしても、それは、一部の意識もスキルも高い発明者からのみとなります。

発明提案書の起案を研究開発部門へ任せきりにすると、発明が提案されないのは当然の結果です。

それでは、発明者から発明提案がほとんどなされない企業において、発明提案がなされるようにするには、どのようにすればよいのでしょうか。

1つは、発明提案がなされるようにするための手段として、発明者に知財教育を施してスキルアップを図るという方法が考えられます。

しかし、この場合、少なくとも数年の時間がかかるでしょう。

また、発明報奨金を高額にする手段があるでしょう。

しかし、どの程度まで効果があるかはやってみないと分かりません。

発明報奨金をかなりの高額にすれば効果はあるでしょうが、額にも限界があります。

発明提案をノルマにすることも考えられますが、同様にどこまで効果があるかは分からないところです。

発明提案を全くしたことがない人がかなり出世していたりする企業の場合、出世のためのノルマにし難くなります。

結局、知財部が研究開発部門に働きかけ、発明提案の場を作ることが、発明を顕在化させるための、もっとも現実的かつ効率的なやり方だと思います。

すなわち、定期的な発明発掘会議(実際は、発明の顕在化させる会議)を行うことです。

発明発掘会議は対象物(対象となる製品)を決め、その製品の開発段階(企画→設計→試作→量産)の各々において行うと良いと思われます。

企画段階では従来技術の課題がピックアップされ、設計段階では発明が次々と生まれ、試作や量産段階では課題が続出して、その課題を解決するための手段が検討されるでしょう。

いずれの段階からも異なる発明が生まれるはずです。

発明発掘会議において、専門家ではない知財部や弁理士から出た視点(質問やアイデア)が、逆に、開発者にとって新たな気づきになり、その後の開発により良い効果がある可能性もあるでしょう。

 

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