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2019-05-07  「顕著な効果」はどれくらい顕著であれば良いのか?

顕著な効果?

 

進歩性を主張するときに、

本願発明の効果が高いことを主張することがあります。

 

というか、

進歩性の主張=効果の主張

と勘違いしている人もいます。

(なぜ勘違いかは、今回は触れません)

 

本願発明が進歩性を有することの主張の1つとして、

顕著な効果を奏することを主張することは

間違いではないのですが、

それでは「顕著な効果」とは

どれくらいの効果であれば良いのかを

把握している人は多くないようです。

 

審査基準には「有利な効果」について、「引用発明と比較した有利な効果とは、発明特定事項によって奏される効果(特有の効果)のうち、引用発明の効果と比較して有利なものをいう」と記載され、「引用発明と比較した有利な効果を有していても、当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられたときは、進歩性が否定される」と記載され、さらに「引用発明と比較した有利な効果が、・・・技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものであることは、進歩性が肯定される方向に働く有力な事情になる」と記載されています(改正審査基準第Ⅲ部第2 章第2 節3.2.1)。

そして、さらに「引用発明と比較した有利な効果が、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものである場合」の例として、「(ⅰ)請求項に係る発明が、引用発明の有する効果とは異質な効果を有し、この効果が出願時の技術水準から当業者が予測することができたものではない場合」と、「請求項に係る発明が、引用発明の有する効果と同質の効果であるが、際立って優れた効果を有し、この効果が出願時の技術水準から当業者が予測することができたものではない場合」が挙げられています (改正審査基準第Ⅲ部第2 章第2 節3.2.1)。

ここで挙げた前者を「異質な効果」、後者を「同質顕著な効果」と言う場合がありますが、

結局のところ、審査基準には

「顕著な効果」がどれくらいの効果なのか、

については記載されていません。

 

この答えは、

「進歩性欠如の拒絶理由通知への対応ノウハウ」のP80に記載しておきました。

以下の通りです。

・・・・・・・

上記のように「異質な効果」および「同質顕著な効果」は「顕著な効果」の一態様であるが、「顕著な効果」は「引用発明の各々が奏する効果の総和を越えた効果」、すなわち「相乗効果」を意味すると考えてよいだろう。例えば本発明が構成A、構成B および構成C からなり、効果がX とする。そして、引用発明1 には構成A について、効果a があることが記載されていて、引用発明2 には構成B に効果b があることが記載されていて、引用発明3 には構成C に効果c があることが記載されているとする。この場合に、本発明の効果X が効果a+効果b+効果c ならば相乗効果はないので顕著な効果はない。これに対して本発明の効果X が効果 a+効果b+効果c+効果d なら、効果d を発揮する点で顕著な効果があると認められる。

・・・・・・・・・・・

「進歩性欠如の拒絶理由通知への対応ノウハウ」のP81以降には、相乗効果について具体例を挙げて説明してありますので、より知りたい方はそちらを参照して下さい。

 


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