トルコで特許を取った案件について、
現地代理人から
1.実施しているか、
2.未実施か、
3.ライセンスの許諾の申請をするか、
のどれであるかを示す
「特許実施状況申告書類」をトルコ特許庁へ提出しましょう、
と言う連絡が来ました。
何のことやら、
と思い、調べてみたところ、
どうやらトルコでは、特許発明について
特許権者は実施する義務があり、
未実施の場合は、
実施したい人(競合会社も含む)がいた場合、
未実施に正当な理由がない限り、
発明の実施を許諾しなければならないようです。
詳しくは、特許庁 振興国等知財情報データバンクのこちらのページ等を読むと良いと思いますが、
未実施の場合の対応方法を考える上での要点を
以下にまとめてみます。
(1)実施していなくても、正当な理由等があれば
強制実施許諾の義務を負わない。
(2) 特許実施状況申告書類を提出しなくても、特許権が消滅することは無い。
第三者より強制ライセンスを申請された際に拒否できないだけ。
(3)ただし、トルコで過去に強制実施許諾がなされた例は1件しかない。
(4)ライセンスの許諾の申し出は、行わない方が良い。
上記(1)~(4)より、未実施の正当な理由等を申告してもよいが、
実際には強制実施許諾がなされる可能性は極めて低いことから、
特許実施状況申告書は提出しなくて良いのではないか、
と思います。
ということで、冒頭の現地代理人からの
「1~3のどれかを示す 特許実施状況申告書類をトルコ特許庁へ提出しましょう」
という連絡に対しては、
「1~3のいずれも選択しません。特許実施状況申告書類は提出しません。」で良いのではないかと思います。
ちなみに3つの写真のうち、1番上はイスタンブールの港、2番目はイスタンブールのモスク、3番目はトルコランプの写真です。