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2021年3月21日
無料相談は得なのか?

 
 
先日、「社内に知財部門を新設したばかりで、担当者もまだ知財に詳しくない」

という会社から、出願前の発明について相談を受けました。
 
ちなみに相談は有料です。
   
 
 
発明内容を検討してみると、先行技術との差異が小さく、効果が高いことを示す実験データもそろっていないので、
 
「現時点では出願しても特許は取れないので、現時点では出願すべきでない」
  
「先行技術に対する効果を主張する(進歩性を出す)ために、今後、行うべき実験の内容」
 
「自社実施確保のために現時点で出願してもよいが、権利化するためには国内優先で・・・という補足が必要なこと」

などをお伝えしました。

 

 
かなり多くの特許事務所では、発明相談を無料でやっていますが、
 
無料で相談すると、特許事務所側としては出願してもらわないと困ることになります。
 
「先行技術との差異が小さく、出願しても権利が取れない。出願しない方が良い」

と心の中で思っても、そう言ってしまったら売上につながらないどころか、相談時間や相談のための検討コスト分が赤字になってしまうからです。
  
 
 
よって、特許事務所としては、先行技術とのわずかな差異を見つけて、

「新規性はありそうなので、出願しましょう」

というように出願することをお勧めしたくなるのは、ある意味では仕方がないことです。

特許事務所も食っていかなければならないので。

(とは言っても私の場合は、これは出願しない方がよいですよ、と良く言っていますが)

 

 
一方で、私のように相談を有料でお引き受けすると、上記の通り、出願すべきでないなら、躊躇なくそのようにお伝え出来ます。
 
また、課題の設定方法とか、効果主張のために今後行うべき実験内容とか、かなり踏み込んだところまでアドバイスできます。
 
さらに、進歩性もありそうだけど、公開しない方が良いと思われる場合は、出願せずにノウハウとして秘匿することをおススメする場合もあります。
 
 
 
 
このようなことは社内の知財部が判断していると思いますが、冒頭の会社のように、

社内にベテラン知財部員がいないようなケース

とか、

知財担当者の経験が浅いケース

ですと、判断し難いこともあるでしょう。
 

もし、みなさんの会社がそのようなケースに該当する場合で、かつ、必要性を感じるのであれば、ご相談頂ければと思います。

有料で相談した方が、結局は得すると思います。

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