意見書に長々と主張が書いてあると、「事務所の先生が一生懸命頑張って考えてくれた!」と言って出願人(知財部殿)が喜んでくれることもあります。
しかし、クライアント様を喜ばすことよりも、審査官に特許査定を出させることの方が重要だと思っているので、私は必要以上に意見書を長くすることはしません。
例えば、微妙な補正をしたいときがあります。
新規事項追加と言われる可能性が多々あるような補正です。
そのようなとき、これは新規事項の追加ではない、と言える主張(ネタ)があるなら、それを長々と書きます。
しかし、微妙な補正の場合、そのような主張を行えることはほぼありません。
ほぼないから微妙な補正、とも言えます。
そのようなとき、私は意見書では何も主張しないことが多いです。
黙って微妙な補正をします。
それは何も主張できないから主張しないのではなく、意見書に言い訳じみたことを書くよりも、何も主張せずに補正した方が補正が認められる可能性が相対的には高いと判断しているのです。
その場合、意見書は非常に短くなります。
このように意見書は長ければ良いということはありません。
色々な側面から考えて、あえて短くすることもあります。