10/6(金)に弁理士会の自主研修会を開催しました。
この研修会は2か月に1回程度開催しており、今回が6回目でした。
今回の発表者は元審査官の松本公一先生(特許業務法人むつきパートナーズ)にお願いしました。
以下は研修所NEWSに掲載した研修会の告知文です。
■題名:「特許審査官の業務とは」
■内容:特許庁の「任期付き審査官」として約10年間の実務経験がある発表者が、普段外部からでは分からない特許審査官が行う業務をいくつか紹介します。また、研修会当日までの間に、参加予定者からの疑問や質問等を募って、可能な範囲で回答する予定です。
当日はかなりの雨でしたが、約20名の先生方が弁理士会館に集まりました。
私が事前にした2つの質問に対する松本先生の回答は、以下の通りでした。
<質問1>
『発明推進協会で発行されている公開技報について、発明推進協会のホームページには「審査の際に利用される」と記載されていますが、本当ですか?
私は公開技報が引例になっている拒絶理由通知書を見たことがありません。』
★回答1
公開技報は検索しているし、それを引例にすることもあります。審査官はかなり広範囲に刊行物を検索していると考えて良いです。
また、インターネット情報も検索し、例えばウェブページやブログ記事の内容等を引用発明とする場合もあります。
<質問2>
『審査官は一人立ちできる(一人で審査して上司にチェックされないで拒絶理由通知を作れる)ようになる条件のようなものがあるのでしょうか?』。
★回答2
審査官は、入庁時は「審査官補」として採用され、所定の研修や試験等を経て、昇任することになっています。
具体的には次の通りです。
・審査官補の期間内で、一人前の審査官としての仕事量を毎月こなすことができるか否かを見極められ、ある程度の仕事量をこなせないと判断された場合には、次年度まで昇任を見送られる場合もある。
・大卒新人の審査官補は審査官に付いて4年くらいOJTを行う。(ただし、任期付き審査官の場合は2年間)。
・審査官補の間に10科目くらい試験の論文式試験を受けさせられ、受かるまでやらされる。受からないと審査官になれない。
以上